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CD “Green Ray”

Liner Notes

Green Ballade/グリーンバラード

『「バラード」とは、物語詩的な内容をもった楽曲』などと説明されることがあるが、

この曲をレコーディングしたあの日も、演奏しながらその時のいろんな想いが音に映って、

まさに物語をつくっているような感覚があったことをよく覚えている。この曲のもつ優しさ、親しみ、鮮やかさ、意志の強さ…様々な表情に突き動かされて自分の音が変わっていくのが面白かった。

グリーンレイにとっての大切な曲が私にとっても大切な曲となり、演奏する度に手に馴染んでいく。

そしてそれが形となって皆さんの手元に届く。

1年前には想像もしていなかった物語が詰まったこの曲とこのCDが、

より多くの方に愛されることを願っています。

(小林実鈴)

Green Serenade/グリーンセレナーデ

 

初めて音出ししてみた当時この曲を"子守唄"みたいだな、と感じた。

拍子も和声も違うけど「ゆりかごのうた」を彷彿とさせたから。

タイトルにあるセレナーデ-恋人に捧げる小夜曲-らしくほろ苦さや切なさもあわせ持っている

大好きな曲。

私にとって子守唄でもあり恋の唄でもあり、レコーディングの最中、私のお腹には新しい命が宿っていてこの曲により特別な思いを抱くようになった。

慈しまれ、恋を知り、たくさんの出会いや別れもあり、そして命を繋ぐ。その時々でこの曲の感じ方は大きく変わるものなのかもしれない。

みんなにはどんな風に映るのかな。

(猪俣明日美)

Green Sonatine/グリーンソナチネ

 

この曲は私達が卒業して数年経った頃に委嘱した曲だ。

遠くフランスに留学中の哲也氏から届いたこの曲を演奏した時、第一声の華奢でおしゃれな和音と、

続く軽やかなソプラノのメロディーから始まるこの曲に、行ったこともないフランスの空気を感じたのを覚えている。

パステルカラーの焼き菓子や、絵画で見た色彩豊かにきらめく川・・・。

スタッカートの軽快なリズムからは、擦音や破裂音の多いフランス語の発音を連想した。

今までの哲也氏の曲の印象にはないような可愛らしい曲だったので、やはり水が変わると血の流れが変わったりするのだろうか?なんて勝手に想像したりもした。

今回収録されている5曲の中でも特にストーリーを感じる1曲なのではないだろうか。

 

私たちの歩みでもあるこの作品達、手にとってくださったあなたの物語の、

スパイスのひとつになれば嬉しいなと思う。

(川﨑有記)

Green Lines/グリーンラインズ

 

本作は『5つのアンコール』の中で唯一、タイトルに音楽用語が用いられていない。

具体的な単語で示される明快なコンセプト―すなわち上ったり下りたりする線のこと―を持ち、アンコールとしても親しみをもって聴かれる小品を目指した。

規則的に昇降する線と同時に現れるのは、躓くようなイレギュラーなリズム感。安定と不安定、相対する2つの要素が同居しながら曲は進む。

中間部は閑話休題、牧歌的な鐘の音がカルテットを二分して呼び交わされる。続くセクションでは、各自バラバラにスタートした4本の線が、次第に1本へと収斂していくプロセスが描かれている。

途中に挿入される転調を伴うトゥッティは、縦横無尽に動く音の群れを引き締めるアクセントとなり、線の行く先を示す道標となる。

(山本哲也)

Green Ragtime/グリーンラグタイム

 

私がグリーンレイのオリジナル曲集の中で初めて演奏したのは、この『グリーンラグタイム』だった。正規メンバーとなるまで、お客さんとして見てきたグリーンレイの印象は、『元気でアクティブ、何か面白い事しでかす人たち』という印象で、この曲を初めて触った時、この今すぐ何処かに行きたくなるような、何かしたくなるような曲が合ってるなあ、と思ったのだ。

最初の出だしはショーが始まるみたいに、カウントを入れたって良いくらいウキウキ全開、バリトンのウォーキングベースで足取り軽くお出かけだ。

ちょうど曲の後半に入るところ、ソプラノサックスとアルトサックスにあるキッシングサウンドで、キャッチーでハッピーな雰囲気をさらに押し上げるはず。

私にとって『グリーンレイ』というのは、自分達と、そして見てくれる皆のハッピーを生み出せる場所。何かを毎日一緒に積み上げる事で、

「私達は今も未来も最高に面白い」を感じて、なんだかそれを確信しているのだ。

 

さあ好きな人達と一緒に、この音楽と共に歩いて行こう。

(三田千晶)

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